水
19
1月
2011
INNER SCIENCE | Elegant Confections
西村尚美によるソロ・ユニット、INNER SCIENCE(インナー・サイエンス)による、4年ぶりとなる待望のアルバム!ヒップホップに端を発しつつも自由に音楽性を発展させてきた彼らしい、美しいサウンドスケープ。従来からのブレイクビーツ路線の楽曲に加え、新機軸としてテクノ、ハウスの範疇には収まりきらない四つ打ちの楽曲も多く収録。流麗なリズムと、ピュアな電子音とが繰り出す独創性溢れる音楽は、例えばダンスフロアやベッドルームなど、聴くシチュエーションを選ぶということからすらももはや一線を画している。作り手の主張する自由さばかりでなく、聴き手にも自由を委ねた強烈な快作アルバムが、ついに到着!
「Elegant Confections」タイトル詳細ページ(Plain Musicへのリンク。全曲試聴あり!)
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「Original Version」が、1/20現在、エレクトロニック・ページのアルバム・チャートで第1位獲得!
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DISC 1 - Original Version |
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| 01. | elegant confection |
| 02. | emphases |
| 03. | inconstant fict |
| 04. | attract each other |
| 05. | resonance theory |
| 06. | vent |
| 07. | momentary spread |
| 08. | unravel a knot |
| 09. | come along |
| 10. | accept each other |
| 11. | end of the beginning |
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DISC 2 - Ambient Version |
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| 01. | seep away |
| 02. | till |
| 03. | inconstant fict |
| 04. | unravel a knot |
| 05. | path to be followed |
| 06. | momentary spread |
| 07. | resonance theory |
| 08. | come along |
<「Elegant Confections」 ライナーノーツ>
既存のフォーミュラでは捉え難く、フロアかベッドルームかというお決まりのリスニング方法や言説の一切を無効にし、自らの芯の部分を提示しながらも聴き手に自由を約束をする。ヒップホップに端を発するインストゥルメンタル・ミュージックの中でも、とても幸福な発展を遂げた音楽なのではないだろうか。INNER SCIENCEのニュー・アルバム『Elegant
Confections』を聴いていると、本気でそう思えてくる。
本作『Elegant Confections』は、西村尚美のソロ・プロジェクト、INNER SCIENCEにとって5枚目のフル・アルバムにあたり、前作『Forms』から数えて実に4年振りの作品となる。その間、自身のプライベート・レーベル<PLAIN
MUSIC>を立ち上げ、6枚のレコードをリリースしてきた。詳細はここでは記さないが、その他にもリミックスやコラボレーション、またマスタリングを含めたエンジニアリング・ワークも数多くこなしている。そしてもちろん、日々のライヴ及びDJ活動も旺盛に行ってきた。僕自身もことあるごとにイベントなどで会っていたし、彼の作品には常に触れてきたので、それほどの間が空いたようには思えなかったのだがともかく、決して短くない年月の中で彼が獲得してきた経験がゆっくりと実を結び、『Elegant
Confections』という纏まった形になって僕たちの前に届けられた。
前作と比べ、制作方法で大きな変化があるかどうかについて尋ねると、とても興味深い答えが返ってきた。
「レコード・サンプリングの要素が減って、自分の演奏を素材として使用することが多くなりました。というのも、サンプリングしたループの中に入ってる薄いピアノの音とかだけを動かせたらどうなるんだろうって。それをやるために演奏して、一個一個の要素を構築するようなことをしました。同じような音色を何回も重ねたりして」
具体的に言うと“inconstant
fict”の水のような音は、シンプルに聴こえるが、その実何層ものレイヤー構造になっているということである(ところで話は若干脱線するが、この曲におけるTR-808のカウベルの使い方にも仰天した。こんなにも淡く、美しく鳴るカウベルがかつてあっただろうか?)。この、音色の「動き」がもたらす豊かさは、アンビエント・ヴァージョンを聴くことで一層理解することができるだろう。
また、変化と言えば、4つ打ちをベースにした曲が増えていることも注目すべき点だ。そしてここで聴けるトラックが“キックを4/4で打つ”というシンプルかつ厳然たるルールを遵守した上で作られているにもかかわらず、どうしてもテクノやハウスに収まらないのにも理由がある。
「(4つ打ちのトラックが増えた理由は)ふたつあると思うんです。ひとつが、ライヴの構成の仕方がそうなってきているので。ブレイクビーツ一辺倒じゃない方向になってますね。もうひとつが、単純な4つ打ちじゃなくて、ビート・ミュージックの違う使い方というか。ミニマル・テクノに生音が乗ったみたいな整理されたものじゃなくて、ざっくりとしたものをやりたくて。今まで使ってこなかったドラムブレイクを乗せたりして」
同色のレイヤーを幾重にも折り重ねて作られた飴細工のように繊細で美しいメロディと、4つ打ちの時間軸に次々と放り込まれていくドラム・ブレイクが、奥ゆかしくもエモーショナルな感情を導き出す。その響きは、最先端とされる現行の欧米諸国のビートメイカーたちが作り出すトラック(しばしば“ビーツ”と総称される音楽)と比べてみてもあまりに独創的だ。本人は「(ジャンルの)狭間を行ってますから」なんて冗談交じりに話してくれたが、彼が切り開いて両の足を付けた地平は、本当にどの範疇にも収まらない領域で、ここで得られる何にも似つかない聴取体験こそが真にヒップホップ的だと思うのだ。それが、僕が冒頭に“幸福な発展”と記した理由である。『Elegant
Confections』は、現時点でのINNER SCIENCEの最高傑作と呼んで差し支えあるまい。
2010年11月 南波一海
一般ではCD流通していなかった日本科学未来館のプラネタリウム作品「BIRTHDAY」のサントラ「"BIRTHDAY” Official Guide Book + Sound Track」も、同日リリース決定!


